先日クラウドファンディングでONKYOのポータブルレコードプレイヤー「OCP-01」を購入したのでそれの記事を書きました。
こちらはお手軽だしオシャレで凄く使いやすいのですが、RCAケーブルでスピーカーに繋いだときの音質がイマイチでした。
レコード自体に収められている音質は決してCDに負けないので、せっかくなら良い音で聴きたい!となるのが人情というもんです。
ということで、色々考えた結果(もしくは何も考えなかった結果)、急にハマり込んで今度はDENONのフルオートレコードプレイヤー「DP-300F」を購入しました。
結果的に凄く満足していて毎日ルンルンで音楽を再生しているので、今日はそのレビュー記事を書いてみようと思います!
DP-300Fの特徴
DP-300FはDENONより2008年に発売されたフルオートのレコードプレイヤーです。
フルオート、ベルトドライブ、カートリッジ交換可。いわゆる一般的に「レコードプレイヤー」と聞いて思い浮かべる形がこのタイプだと思います。
候補としてダイレクトドライブのプレイヤーなども色々検討したんですが、完全マニュアル(レコードが終わっても再生が止まらない)はどうしても扱いづらいと思ったので、それだけは除外し、結果的に一番魅力的だったのがこのDP-300Fでした。
購入価格は約3万7千円です。
正直こだわりが全く無ければ1万円台でプレイヤーが手に入るんです。
(こちらは知人宅の1万円ちょいで帰るプレイヤーのアーム部分。プラスチッキー。またカウンターウエイトの調整部も無し。)
しかし安い機種では重要なパーツにもプラスチックが多用されていたり、カートリッジ(針の部分)の交換できなかったり、ノイズが大きかったりするので、やっぱり価格の差は十分にあるようです。
その点DP-300Fは針を交換して楽しむことができるなど一通りの性能は備えているので、僕のような「これからレコードをたくさん楽しみたい」という人でも、十分満足できるプレイヤーだと思います。
DP-300Fの外観
それでは実際にDP-300Fの外観をご紹介します。購入後、最初に組み立てる作業があるんですが、それについては後述するのでまずは完成図から。
ラインナップにはシルバーと黒があるんですが、僕は黒を選びました。塗装はちょっとラメが入っていてガンメタっぽい黒って感じです。クロムメッキのパーツなどは無いので錆の心配はなさそう。
操作部は単純で、手前にスタートとストップボタン。
あと45回転と33回転を選ぶボタン、レコードのサイズを選ぶボタン、その計4つがあるだけで至ってシンプルです。
カウンターウェイト付近も塗装はキレイで安っぽい部分はありません。
裏面は電源とRCAケーブルが直付け!ケーブルは細いです。
特にRCAケーブルの直付けはこの機種の最大の欠点と言っても良いかもしれません。うちの環境だと1mじゃ短くて、できれば1.5mほどあると良かったです。
なので音質の多少の劣化があるかもしれませんが、RCAの延長ケーブルを購入しました。
直付けじゃなくて端子形式だったら初めから希望の長さにできたんですけどね。残念。
あと、バラしたわけではありませんが、ターンテーブルを外した部分の構造も安っぽさを感じます。
どうやら、他メーカーのレコードプレイヤーと共通部品が多いようです。例えばDENONの1万円くらいの機種とaudio-technicaのそれを比べると機構が凄く似てたりするので、メーカー間やモデル間のパーツ共有化、もしくはOEM的な何かがあるのかもしれません。
DP-300Fを組み立てる!
続いて組み立てと調整方法をご紹介します。レコードプレイヤーの仕組みを知るには、組み立て手順を知るのが一番手っ取り早いです。もちろんそれほど難しくありません。
ターンテーブルをセット
まず、本体を箱から出して平らな場所に設置します。(先ほどと同じ写真)
そこにターンテーブル(プラッター)を設置します。
このターンテーブルは裏にベルトが巻いてあるので、それを本体側に掛けてやる必要があります。
ベルトを掛けるのはこの部分。
赤いリボンを持って引っ掛けてやります。(引っ掛けたらリボンは外します。)
その後5~6回ターンテーブルを手動で回してやると、ベルトの引っかかりがいい感じの場所になります。
ターンテーブルシートを載せます。
シートを載せると一気にカッコよくなりますね!テンションアガル!!
カウンターウェイトの調整
続いてアーム部分をセットしていきます。このあたりはレコードプレイヤー独特の調整で、ここが狂うと音質に直接影響してしまうので詳しく書いておきます。
手順を先に書いておくと、
- カートリッジ(ヘッドシェル)取り付け
- アームの水平を取る
- 適切な針圧に設定
- アンチスケーティングを設定
となります。
ヘッドシェル取り付け
まずはヘッドシェルを取り付けます。(ヘッドシェルは発泡スチロールに固定されて梱包されています。)
アームに取り付け、ナットを締めると固定されます。
アームの水平を取る
続いて基準点となる水平を取ります。
付属のカウンターウエイトをアームの後ろ側から入れ、アームが水平になるようにカウンターウエイトを回して調整します。
結構シビアです。水平になった写真を撮り忘れたので、取説より抜粋します。
水平になったときが基準になるので、ウエイトの本体部分を固定したままメモリを回し、0にしておきます。
適切な針圧に調整
水平になった状態は、レコードに対し針が触れるか触れないかギリギリの状態になっているので、これでは針が盤面を捉えません。
ということで、針が少し下がる状態にします。どのくらい下がった状態が良いかはカートリッジごとに決まっていて、これを針圧といいます。
DP-300Fの付属カートリッジの指定針圧は2.0gなので、水平状態からカンターウエイトを回し、2.0になるようにします。
こうすることでカートリッジ側が下がり、ちょうど2.0gの針圧でレコードを押さえるようになります。
アンチスケーティングを設定
最後にアンチスケーティングを調整します。アンチスケーティングはアームが自然と内側に向かう作用を抑えるものです。
基本的には針圧と同じ値に調整すれば良く、DP-300Fでは2.0となります。
これで調整完了です!
スピーカーと接続
上でも書いたとおり、DP-300FはRCAケーブルが直付けなので、アクティブスピーカー(アンプ内蔵のスピーカー)かアンプやコンポにケーブルを繋げばOKです。
PHONOイコライザーを内蔵しているので、PHONO端子がない製品にも接続できます。
ちなみに僕が使っているスピーカーもその一つ。
繋ぐだけで即レコードを聴くことが出来るのは非常によいですね!
実際に聴いてみる!音質は良い!
針のカバーを上げ、
あとはレコードを設置し、STARTボタンを押すだけ!
オートなのでアームが動いて一曲目から再生が開始されます!
プツ…プ…という小さいノスタルジックな音が聞こえ、そして音楽が再生されます。
決して高級なスピーカーに繋いでいるわけではりませんが、それでもそのスピーカーを鳴らし切る十分な音質で再生されます。高音から低音まで綺麗に鳴り、長い間聞いていても疲れづらい音です。それでいて音量を上げればしっかり迫力も出るという、凄く良いプレイヤーだと思いました。音が歪んだりすることもありません。
記事の冒頭で以前購入した「ONKYOのポータブルレコードプレイヤーの音質が悪い」と書きましたが、正直その差は歴然、まったく別物です。OCP-01を聞いた後DP-300Fを聞いたらあまりに音質が良くて鳥肌が立ちました。レコードが持つ豊かな音をしっかり鳴らしてくれます。こんなに違うのか!って思いました。(この2機種の音質の違いについては録音比較してみたので、また後日別記事でアップします。)
1万円程度のスピーカーでは、むしろスピーカーの方が負けているかなぁという感じもするので、将来的にはアンプとスピーカーを購入してもっと良い音で音楽を聞ける環境が出来たら良いなぁと思っています。(沼ですね。)
感想
それでは最後に感想です。思ったこと全部挙げようと思います。
優雅な時間を味わえる。
まず、やっぱりレコードってのは素晴らしいなぁとしみじみ感じました。
レコードを大きなジャケットから出してターンテーブルに載せ、針を盤に落とし、音楽を楽しむ。そういう一連の”儀式”とも言える動作を経て鳴る音楽っていうのは、やっぱり現代っ子の僕からすると凄く丁寧な聴き方に感じます。音楽を聴くという行為に対し、丁寧に接することで凄く豊かな気持ちになることができます。
今の時代にレコードを始める方は、そういう”特別な体験“を期待されると思うんですが、このDP-300Fは十分に満足できる機種だと思います。本当に買って良かったです。
使い勝手は概ね満足。フルオートはやっぱり便利。
そしてフルオートはやっぱり便利です。
実は気になるフルマニュアル機があったんですが、「完全なマニュアル機」だと再生が終わっても止まらないので、そのまま寝ちゃったら針が触れたまま朝まで回り続けちゃうんですよね。Jazzを流しながら寝たりしたいので、結局フルオートのDP-300Fにしました。
あとフルオートを実際に使ってみて、ダストカバーを閉めたまま再生・停止操作が出来るのが意外と嬉しかったです。
ただ一つ欲を言えば、どうせフルオートなら、あと「一時停止ボタン」があればよかったですね。安い機種でも付いてたりしますが、これだと一時停止もダストカバーを閉めたままできるので。
ダストカバーは傷が付きやすい
それと、ダストカバーは傷が付きやすいのが難点ですね。アクリル板とかああいう感じの材質なので、ホコリを布などで雑に拭くとそのまま細かい傷がサーっと入ってしまいます。
長い間使っているとそのうち傷だらけになるかもしれないな、と感じています。気になる方は上に布でも敷いて使うと良いかもしれません。
ピッチが若干高かった
それと、実際に聞いてみると、回転数が少し速いようで、若干ピッチが高かったです。
これは後日調整したので、また改めて記事にしたいと思います。
RCAケーブル直付けは残念。
最後に、何度も同じことを書きますが、RCAケーブル直付けはやっぱり残念でしたね。
まとめ
ということで、ここまで長々と書いてきました、僕自身、実際に購入して凄く満足に使っています!
決して安い買い物ではなかったし、CDと比べるとレコード自体も高いので何かと出費は増えてしまいます。スピーカーもせめて1万円くらいのものを使わないとプレーヤーに負けると思います。
それでも少しお金をかけても良い音でレコードを楽しみたいなぁと感じるなら、このDP-300Fは凄く良い選択肢になるんじゃないかと思います。
家でレコードが眠っている方や、これからレコードを始めてみたい方、この記事が少しでもそういった方々の参考になれば幸いです!
コメント
素晴らしいレビューありがとうございます
私もこの機種を愛用してます初心者なのですが、頭出しが上手くいってたのに、再生中にトーンアームを触ったせいか?
頭出しが上手くいかなくなってしまいました…
トーンアームが奥まで行くようになったんです…
どうやって元の状態へ戻すんでしょうか?
ご教示願いたいです。
圭介さん、コメントありがとうございます。
本体に「SIZE/17/30」というボタンがあると思うんですが、これを押してみるとどうなりますか?
おもちゃブログさん
わわわーっ
「size/17/35」で治りました(๑˃̵ᴗ˂̵)
感謝感激
レコード生活堪能します。
ありがとうございました♪
圭介さん
因みにこのボタンは小さいサイズのレコードを聴くときに使うボタンになります。
お役に立てて何よりです、良いレコードライフをお送りくださいね!